明治大学 ボランティアセンター& 国際日本学部 岸ゼミ 主催
みんなで創る「せいり」トーク
みなさん、生理について一人で悩んでいませんか?話しにくいと感じていませんか?自分は男性だからいいや、と思ってしまっていませんか?
「話しにくいからいいや」「聞きにくいからいいや」と思い放置してしまうと、後々の子宮頸がん発症につながったり、妊娠しにくい身体になってしまったり、周囲に理解してもらえないことで精神的に辛くなってしまったりします。
近畿大学付属病院で産婦人科医として働く藤田由布医師をお招きし、生理や子宮頸がんについて学びながら話す機会をつくることができました!
生理は「ひとり」の悩みではありません。一歩踏み出して、女性も男性もみんなで一緒に生理について考えていきましょう!
【日時】2021年7月7日(水)
・1部:藤田医師の講演 15:20〜16:20
・2部:藤田医師と交流会 16:30〜17:00
【方法】Zoomミーティング+YouTubeライブ配信
【申し込み】
・1部:藤田医師の講演ー事前申し込み不要
・2部:藤田医師と交流会ーOh−o!Meijiアンケートにて
※6月7日(月)にOh-o! Meijiにてイベントの案内とアンケートを配信しています。
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子宮頸がんについて知っていますか?
世界では撲滅寸前ですが、日本だけで急増中の子宮頸がん。これは性交渉でうつるウィルスが原因で発症します。しかし子宮頸がんは、検診によって命を救うことができます。初期の自覚症状はほとんどないと言われているため、年1回の受診が早期発見をする上で非常に重要となります。
藤田医師による講演
藤田先生からは主に「生理について」と「子宮頸がんについて」の2つのテーマでお話いただきます。ZoomによるYoutubeへのライブ配信を行いますが、講演視聴中、閲覧者の皆さんにImakikuやyoutubeのコメント機能を使ってコメントをしてもらい、それを企画者である私たちが藤田先生に質問していくというインタラクティブな講演会を計画しています。
・時間:15時20分〜16時30分
・方法:Zoom/YouTubeによるリアルタイムオンライン(ホールでライブ視聴可:人数制限あり)
・対象:明治大学の全学生 (申し込み不要)
藤田医師との交流会
イベント終了後、生理など女性の身体的な悩みを藤田医師に相談できる交流会を実施します。心理的安全を考慮して実施します。是非ご参加ください。
・時間:16:30-17:00
・対象:明治大学の女性学生のみ
・事前登録必要(先着順)
・Zoomミーティング
・申し込みは、Oh-Meijiのアンケート機能
イベントの流れ
f.a.q.

明治大学では各キャンパスに診療所が設置されています。
診療所は以下のような利用が可能です。
•一時的な診断のみ可能
•薬の種類には限りがあるが、3日程度分なら出せる
•生理の場合は大体一日分
•頭痛や腹痛のみでも利用する人はいる
•保険診療が自己負担なく受けられる
学生健康保険を活用し、無料で診察等を受けられる病院があります。
詳しくは
こちら
の資料を参照ください!
4キャンパスがある各自治体で無料配布の取り組みが行われています。詳しくは
こちら
をご確認ください!
質問へのゆう先生からの回答
もう我慢しないでぇぇぇ〜〜〜
それはちゃんとした生理じゃないし、ちゃんとした生理サイクルではなさそうです。卵巣機能が一時的に弱っているか、もしからしたら別の疾患かもしれません。稀に脳の下垂体から出るプロラクチン(乳汁ホルモン)というホルモンが出過ぎてしまっている人、のどにある甲状腺という分泌腺の病気だったり、子宮の入り口の頚部がバイ菌によって炎症を起こしている場合も出血がタラタラ出ることがあります。まず、原因検索はした方がいいかもしれません。クラミジアや淋菌といった性病は放置すると卵管炎症や肝臓あたりまで炎症が広がり、後に大変なことになってしまう場合もあります。子宮外妊娠の約半数は性病が原因だったり、ということもあります。
卵巣機能不全が考えられます。21日周期はやや短めです。全く問題ないこともあるのですが、排卵がちゃんとおこらずに出血がおこっているのかもしれません。卵巣からちゃんとホルモンがでているかも気になるところです。あと、経血量が多く、3週間おきに出血しているとなると貧血も気になります。貧血は全身の酸欠状態と同じ意味なので、長期間にわたる貧血を放置するのもダメです。一度、貧血や卵巣機能についてチェックする目的も兼ねて婦人科で相談されることをお勧めします。
あります。俗に言う「ピル」は、エストロゲンとプロゲスチンの2種類の女性ホルモンが配合されているホルモン剤を意味します。前兆をともなう偏頭痛もちの女性には、血栓症(血が詰まって脳梗塞をおこす)になるといけないのでピルを処方しにくいのは事実です。ピルの成分であるエストロゲン製剤が血を固まらせてしまう作用が少しあるため、です。しかし、一昨年からプロゲスチン製剤のみのピル(海外ではこれをミニピルとよびます)が認可されるようになりました。血栓症のリスクがある人でも内服できるプロゲスチン(黄体ホルモン)のみのピルです。これは、「ディナゲスト0.5mg」です。
ちなみに子宮内膜症でチョコレート嚢胞がある人は、プロゲスチン製剤(黄体ホルモン)のみの「ジエノゲスト1mg」という薬を内服することが進められています。ディナゲストとジエノゲストは成分は全く同じです。
ピルは長期間内服しても大丈夫です。副作用が最も出やすいのは、初めて内服し始めてから1ヶ月目〜3ヶ月目くらいです。どうしても気になる人は、細かい症状や自覚している身体の違和感をドクターに伝えてみてください。血栓症や肝機能とかは採血で確認できます。あと、ピルにも相性があるので、何個か別のものを試してみるのもいいかもしれません。慣れてくるのは飲み始めてから3ヶ月〜6ヶ月後という人も多いです。澤穂希選手はピルを10年間飲んで、38歳まで内服して飲みやめてすぐに妊娠できたと公表しています。日本では馴染みのないピルですが、少しずつメリットを公表する人が増えてきたので、今後は一気に広がるような気もしています。生理を自分でコントロールして、生理で生活の質を落としてしまう女性が減って、もっと楽になって欲しいと思います。
何かしら気になる症状があれば、まずは検診を待たずにすぐに婦人科を受診してほしいです。
頸がん検診のハガキはどこの自治体も2年おきくらいに届くはずです。無料の自治体もあれば、だいたいが四百円程度です。多くのクリニックでは、四百円で頸がん検診に加えてサービスで経膣超音波で卵巣と子宮の状態をチェックしてあげますよーっていうところが多いです。
性交渉の経験がなく、症状がなにもないなら、無理に頸がん検診を受けることはしなくても良いです。子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルスに感染して発症することがわかっています。このウィルスは性交渉でしかうつりません。ただし、1%未満の割合でウィルスが関係しない子宮頸がんもごくごく稀にあります。
これは実は超おすすめです。益若つばささんもSNSで使ってよかったと言ってましたね。子宮内避妊システムとか、子宮内黄体ホルモン放出システムとかいいます。子宮内避妊器具(IUD)の代表的なもので、「ミレーナ」とか「FD-1」とか「ノバT」などがあります。
リングというと輪っかを想像しますが、T字型の3cm弱のプラスチックの小さな器具です。
タンポンがうまく使える人なら、すぐ慣れる傾向があるみたいです。折り曲げて小さくして膣の中に自分の手で挿入するわけですが、やはり手に経血が付着したり、とる時に服に経血が着いてしまったり、と最初のうちは慣れなくて難しいようです。生理1日目すぐのまだ経血がチョロっとでかかっている日に使いはじめるのが良いそうです。ただし、性交渉の経験がない人は膣口が小さいので痛みを感じることが多いです。初めて使う人は小さいSサイズから使うといいですね。
婦人科での待ち時間はとても長いと言われています。総合病院での待ち時間も長く、へたすると数時間待たされることも珍しくありません。定期的にピルをもらうだけ、いつもの薬をもらうだけ、などで数時間も待つなんて、クリニックに通うだけで生活リズムを乱すことになるのは本望ではありません。予約を入れて受診する場合は、なるべく待ち時間を短くするような努力をクリニック側も惜しむべきではありません。患者さんに最大限の配慮をするというのは当然です。ただし、予約なしで当日の突然の受診の場合は、待つ事は仕方ありません。予約の患者さんが優先なのは言うまでもありません。
お住まいの自治体からは、20歳になったら「婦人科検診」のハガキが届きます。婦人科検診とは、ほとんどが「子宮頸がん検査」を意味します。性交渉が一度でもある人はすでに子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウィルスに感染している可能性があります。婦人科検診を必ず受診してください。性交渉の経験が一度もない人は、痛い思いをしてまで検診を受診する必要はないのですが、不正出血や下腹部の違和感などなんらかの症状がある場合は、必ず検診の時期を待たず、すぐに婦人科を受診してください。
ピルの成分の1つ「エストロゲン」が含有されていない「プロゲスチン(黄体ホルモン)」のみのピルをミニピルといいますが、このミニピルを使うことをまずお勧めします。エストロゲン含有の一般的なピルと同等の効果です。あとは、エストロゲン含有のピルを内服した1ヶ月後〜3ヶ月後にDダイマーを血液検査で測定し、血栓ができやすくなったかどうかをチェックして判断するのもいいです。ピルの副作用がでるのは、内服し始めてから1〜3ヶ月後がピークです。この時期に採血検査をして今後もピルを継続してもいいかどうかを判断します。プロゲスチン製剤のみのミニピルの場合は血栓症のリスクはないのでわざわざ採血検査をする必要はありません。しっかり主治医と相談しながら、安心してピルを内服してください。しっかり向き合ってくれる主治医を見つけれるといいですね。
腺筋症は経産婦(お産を経験した女性)に多くみられる疾患ですが、未経産婦(お産を一度もしていない女性)にもみられる一般的に女性によくみられる良性の疾患です。月経量が多く、生理痛がキツくなります。子宮内膜(一番内側にある月経血となる部分)が子宮筋層に入り込み、子宮がぷっくり大きくなります。閉経間際まで生理痛に悩まされることで知られています。みんな「はやく生理が終わって閉経して欲しい」っていいます。40歳以上の女性は血栓症のリスクが高くなるので低用量ピルは処方することはありませんが、血栓症のリスクがない黄体ホルモンのみのピル(ジエノゲスト1mgやディナゲスト0.5mg)を内服することでとても生理が楽になることがあります。また、ミレーナという子宮内器具を挿入することで月経血をうんと減らして(=内膜の増殖を減らして内膜を薄くする)、生活の質を向上させることもできます。また、漢方や鎮痛薬を併用し、痛みを和らげることもできます。もちろん、身体を温めたり、運動や食事療法で生活を改善することにより現状を改善させることにもチャレンジしてみるのもいいです。ただし、現状が改善しないなら、やはりあらゆる方法をいろいろとチャレンジして、辛い生理で生活の質を脅かされることに終止符を打って欲しいと心より願います。きっと改善する良策に出会えるはずです。我慢することはもうやめて欲しいですね。
難しい質問ですが良い質問だと思います。個人差があり、女性の痛みや気持ちの落ち込みなどは、一概にひとくくりにしてしまうと、かえってそれが気分を害することもあるため、回答に本当に苦労します笑。
生理の辛さで悩む女性も皆んな同じではなく個人差もあり、辛さの種類も違います。
ただただ話を聞いて欲しい女性もいれば、黙って横にいてくれれば良い、という女性もいます。男子と女子の脳ミソが違うけど、男性脳をもつ女性だっているし、理論的なお悩み解決の方程式があるわけではないですものね。ますます難しいですね。
男性諸君、ここはセンス勝負でしょうが、なぜ生理が辛いのか、なぜ生理前に鬱っぽくなるのか、ホルモンの乱れやどうしてイライラしてしまうのかといった機序がわかると、それは彼女のせいでなくホルモンのせいだ、、、ってわかるかと思います。
月経前症候群(PMS)というのは本当に厄介です。
月経前になるといつもイライラして精神的に不安定になったり、乳房の張り、痛みがあらわれて、月経が始まるとこれらの症状がおさまったりします。
PMSの症状が重く、日常生活に支障を来す場合、月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder:PMDD)と診断されることがあります。
その原因としては、排卵後のホルモン、つまり黄体ホルモンの急増と、その他のホルモンバランスが急激に一気にグラッと変換するからだと考えられています。
PMSとは、月経の数日前の黄体期から月経がはじまるまで続く、体やこころの不調です。月経がはじまると、症状が軽くなったり、なくなったりします。
PMSは、気分の持ち方でも症状が変わってきます。痛みを感じたり、こころが不安定になったりしたとき、「もうすぐ月経だから、これはPMSだ」と気がつくだけでも、症状が緩和されることがあります。
ですので、PMSが起こる時期には大切な用事を避けるなど、予定を調節しやすくなる女性もいます。
脳のセロトニン活性に密接に関係するのは、エストロゲンという女性ホルモンであることが知られています。
エストロゲンが低下すると、セロトニン(ハッピーホルモン)は分解され低下されます。セロトニンが低下するとメラトニンが低下します。メラトニンが低下すると睡眠障害が起こります。
またメラトニンは強力な抗酸化物質のため、メラトニンが低下すると酸化ストレスに晒されます。
ここまでごちゃごちゃ言われると、わけがわからなくなりますよね。
こんな風に、いろんな脳内伝達物質がホルモン変化によって乱されることが割とはっきりしています。
ここから先は、興味がある人だけ読んで下さい笑。
生理前に鬱っぽくなって家の中にひきこもってしまうような人は、月経前不快気分障害(PMDD)かもしれません。このPMDDの発症には、神経伝達物質であるGABA(ギャバ)のバランスが崩れることが関与すると考えられています。GABAを分泌する神経細胞(ニューロン)は脳全体に存在します。特に脳の扁桃体に存在するGABA分泌ニューロンは、扁桃体の興奮を抑制して、不安感を抑える上で重要な役割を担っています。
これ以上はなしを続けると眠くなってきますね。
これらの上記のことを、生理前にイライラしている女性にドヤ顔で説明したら余計にイラつかれるので、決して説明してはいけません笑笑。
こんな風に女性はホルモンの乱れに常に晒されている、という事を理解してあげて、あなたなりに優しくしてあげるのがいいかもしれませんね。
・日本と韓国のピル使用率が低いのはなぜですか?
・なぜ日本ではこんなにピルのイメージが悪いのでしょうか?
・感染症が心配でパートナーとの性交渉を躊躇してしまいますが、相手に申し訳なさも感じてしまいます。どうしたら安心できますか?
今回の講演を機会に、女性に限らず自分や周りの人たちの健康について考え、
会話する機会が増えることを、企画メンバー一同願っています。
今回学んだことを、ぜひ周りの人にもシェアしてみてくださいね!
今回はご参加いただきありがとうございました!
ゆう先生とのコラボイベント第二弾はこちら!

今回学部を超えて企画に協力してくださった、明治大学情報コミュニケーション学部島田ゼミは「神保町コーヒープロジェクト」を行っています。
このプロジェクトはコーヒーを軸に「神保町の街づくり」と「SDGs」(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)に取り組むことを目指し、神保町発でさまざまなコーヒーの情報発信をしていくものです。
少しでも興味のある方は、ぜひ島田ゼミのHPも覗いてみてくださいね!
明治大学国際日本学部
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